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Candy Pop -12話- 新たな友達と…。 / 2011-08-17 (水)

今日はいつものような休日でいつものみんなで遊びに行くことになって
陽香ちゃんと優樹、優姫ちゃんと一緒に買い物に出掛けました。

朝ご飯を食べた私はいつものように桜ヶ丘の駅まで自転車で向かい
新宿で山手線に乗り換えて待ち合わせ場所の渋谷駅に向かいました…。

いつもなら新宿で待ち合わせなんだけれど、優姫ちゃんの都合に合わせて
渋谷の緑色のカエルみたいな電車の近くで待ち合わせることになりました。

「優姫ちゃん…ちょっと遅いかも…。」

「そうですね…。」

「美咲の言う通りちょっと遅いかも…。」

いつもなら遅刻してこない優姫ちゃんだけれど今日はなんかおかしいぐらいに
遅くて…どうしてこんなに遅いんだろう…って思うぐらいだった。

待ち合わせ時間から30分位経ってやっと優姫ちゃんが私たちが見たことのない
1人の男の人を連れてやってきました。

「ごめんなさい…翼を待ってたら遅れちゃって…本当にごめんなさい。」

優姫ちゃんが翼と言った男の人も一緒に謝った。

(あ…夢の中で見たような男の人だ…。)

名前は夢の中だったから良く分からなかったけれど、優樹よりも背が高くて
男らしい感じの人でいかにもスポーツが出来そうだなぁ…って感じの人。

「あ…オレのことで優姫とみんなに迷惑かけちゃって本当にごめん。
オレが寝坊さえしなければこんなことにならなかったのに…本当にごめんな。」

「あ…ううんいいのいいの…。」

と私は思ったけれど…やっぱり優姫ちゃんに理解してくれる恋人さんがいたなんて…と
思うとなんだかちょっと「いいなぁ…。」と思ってしまいました。

「あ…名前を言ってなかった…オレの名前は秋月翼(あきづきつばさ)、見ての通り
優姫の彼氏やってるんだ…。あの…よろしくな。」

「うん…。」

「はいっ。」

「よろしくね。」

「えっと…私達も自己紹介…した方が良いよね?」

「その方が良いかも…。」

「それじゃあ私から…。私は上野美咲、優樹と陽香ちゃんの大好きな女の子です。」

「えっと…私は沢渡陽香って言います。美咲ちゃんを愛してる女の子です。」

「そしてボク…ううん私も美咲のことが好きな長谷部優樹だよ。」

「え…最後の女の子…ボクって言ったけれど聞き間違えかな。」

「あ…あぁぁぁっ聞き間違えだと思うから大丈夫だよ。」

「まぁ、最近は自分の事をボクとかいう女の子もいるから気にしないよ。」

(ふぅ…助かった…優樹が男の子だって知ったら驚くだろうし…ね。)

「さてと、遅れちゃった分を取り戻すためにも今日は1日楽しもうね。」

「うん。」

そんな感じでちょっと不安もあるデートみたいなお買い物が始まった。

今回は今週出たばかりの好きなアーティストのCDを1枚とこれから着ていくような
可愛い服を探しに行くといういつもとあまり変わらない感じだけれどいつもはいない
優姫ちゃんの彼氏さんがいたりしたから気を使わなくちゃ…って思いながらいこうと
しました。

でも、なんだか先に出ちゃうことが多くてなんだか迷惑を掛けちゃったかなぁ…って
思う節があって悪いことをしちゃったかなぁ…って思いました。

とりあえず私はこれからの季節に合うブラウスとスカートを買って、優樹も可愛い
ワンピースを、陽香ちゃんも私のと似た感じのブラウスとスカートを買って気分も
うれしかったけれどやっぱりまだちょっと不安があるかなぁ…っていう感じでした。

ここでは迷惑なことはしていないけれど…優樹の事が男の子ってわかっちゃったら…という
ことで気をとがらせてたから結構精神的にはつらい感じでした。

時間がお昼を過ぎた頃に翼さんが遅れたお詫びにってお昼ご飯の代金を出してくれるって
言ってくれたから、少し高いもの…とも思ったけれどそれはやっぱりみんなに迷惑を
掛けちゃうからいつも食べるようなスパゲッティなどにしました。

そのお昼ご飯の時にちょっとひやひやすることがあって…優樹のことがばれちゃったかなぁ…って
思う節があって背筋が凍ってしまいました…。

それは優樹がトイレに行ったときに…女の子の格好のまま男の子のトイレに入ってしまったのを
翼さんが見てしまったような気がしたから…。

見てしまったように見えた後はなんだかもうだめかも…と思いつつもぐだぐだと迷惑を掛けないように
何とかがんばろうとしました…。

「うぅ…。」

「大丈夫?美咲ちゃん…?」

「すごく不安すぎてぐだぐだになっちゃうよぉ…。」

「あ…ごめんね…ボク…急いでトイレに入っちゃったから男の人のって気が付かなかったんだよ…。」

「うん…それならいいんだけど…。優姫ちゃんの彼氏さんもいるから男の子だって分からない方が
やっぱりいいと思ったんだけど…。」

「うん…ごめんね…。」

優樹は謝っていたけれど、ばれちゃったらどうしようという気持ちが増えていってしまって…。
本当に大丈夫かなぁ…と思いながらお買い物を続けました。

ひやひやしたお昼ご飯の後はCDを買いに行って一安心というところだったけれど、そのあとにも
違う意味でちょっとびっくりすることがあってなんだかなぁ…って思ってしまいました。

CDを買い終わった後外に出て少し道を歩いていたら優樹と出会った時みたいな感じになってしまい…。
私の知らない人に私がお姉ちゃんなのに「お姉ちゃん」って言ってしまうことがありました。

でも、はっと気づいた時には「どうしたの?」って私がお姉ちゃんと言ってしまった知らない人が
目の前に立っていました…。

「あ…ごめんなさい…間違ってお姉ちゃんって言ってしまいました…。」

「ううん、いいのよ、もしかしたら私がお姉ちゃんに見えたのかな?」

「あ…う…私には妹はいますけれど…お姉ちゃんはいないのです…。」

「そうなんだ…。それに私はあなたより年下かもしれないけど…。」

「はわわ…さらにごめんなさいです…。」

「謝らなくてもいいのよ、もしかしたら前世とかでお姉ちゃんだったのかもしれないから。」

「もしかしたら…そうだったのかも…この優樹も前世の恋人さんだったし…そうなのかも…。」

「ふふっ、それならそれでいいと思うよ。」

「あ…私は上野美咲って言いますっ。」

「私は成海愛実(なるみあみ)って言うの…よろしくね美咲さん。」

「あ…よろしくです…。」

そんな事でお姉ちゃんって間違って言ってしまった人は…前の優樹のように前世でもしかしたら
私のお姉ちゃんだったかもしれないけれど今は私より年下の成海愛実さんという人でした。

そんな話をした後は今日の所はメールアドレスを教えてもらってまた会いましょうと話して
また道を歩き始めました…。

「はぅ…今日はひやひやすることが多かったよ…。」

「ごめんね…美咲。」

「ううん、優樹は大丈夫だから…。」

「それにお姉ちゃんって言っちゃった愛実さん…なんだかアイドルみたいな感じで可愛い人だったよ…。」

「あ~ボク…ううん私もこんな可愛くなれたらいいのになぁ…。」

「優樹は十分可愛いよ。」

「う…うん…。」

「陽香ちゃん…いろいろとごめんね。」

「ううんいいのよ、困ったときは美咲ちゃんも優樹ちゃんもそして優姫ちゃんも困ったときは私が
力になるから大丈夫よ。」

「うん…ありがとうだよ…。」

もう5時になろうとしている時に「今日はいろいろとごめんね。」ともう一度みんなに謝って
みんなと別れることになりました。

優樹は新宿だからここで別れたけれど、陽香ちゃんと優姫ちゃんは途中まで一緒だから電車で
一緒に帰りました。

最後に翼さんがこっそり「優樹が男でも心に正直なら構わないさ。」と言って「わ…ばれてたんだ…。」と
心臓が止まりそうだったけれど優姫ちゃんも同じような悩みを持っている女の子だから分かっていたのかなぁ…と
不安な気分もどこかに飛んでしまいました。

家に帰って夕ご飯の後に妹の瑞希と他愛もない話をして今日の日記をつけて1日が過ぎていきました。

「また明日から学校だから落ち着いて勉強して…目指す未来に向けてがんばらなくちゃ…。」

そんなことを想いながら眠りにつきました。

今日の夢の中で見たのは大きな何かの会場でたくさんの人だかり…夢の中で私の胸と人に押しつぶされそうになる
ちょっと怖い夢を見てしまったけれどあれはなんなんだろう…近い未来にあんなところに行くのかな…と思い
なんだか不安になってしまいました…。

でもあれはなんだったんだろう…。