それから数週間が経った…。
私と陽香は毎日駅前で時間を合わせて一緒に登校するようになった。
そんなある日の授業が終わった時の事。
「ふぁ~っ、今日も授業も終わったし本屋さんでも見て帰ろうかなぁ?」
「そうですね、私もちょうど読んでいた小説を読み切ったので一緒に行きますね」
「うん、ありがとう」
私と陽香は机に出してある筆記用具とノートとテキストを鞄にしまい講堂を後にした。
「ねぇ…ちょっと本屋さん以外に寄りたい所があるんだけど…良いかなぁ?」
「はい…でもどこですか?」
「えへへっ、それは秘密だよ」
「それはちょっと美咲ちゃん酷いですよ」
「あぅ…ごめんね…陽香ちゃん」
そう言いながら私と陽香は大学の中央にそびえ立つ時計塔のあるフロアに出た。
そしてゆっくりと時計塔の展望台へと続く階段を2人で上っていった。
そして最上階につき、私は今まで心にしまっていた事を陽香に伝えた。
「ねぇ、私…陽香ちゃんの事が好きになっちゃったの…」
「女の子同士はいけないと思うけれど…でも、私ねこれまで一緒に
陽香ちゃんといてなんだか少しずつだけど胸が熱くなったり、いつもよりも
心臓がドキドキしたり…なんだかお友達だけじゃ物足りなくなっちゃったの」
「陽香ちゃんの事を…恋人さんって見ていいかなぁ…?」
「えっ…美咲ちゃんが…恋人さんに…」
「う…うん…そうだよ」
「陽香ちゃんの事をお友達としてじゃなくて恋人さんとして一緒にいたいの」
「うん…私美咲ちゃんの恋人さんにちゃんとなれるか分からないけれど
美咲ちゃんが恋人さんになって欲しいって言うのなら恋人さんになるね。」
「ありがとう…」
私と陽香は夕方の日差しの差す時計塔の真ん中で抱き合い、口付けをした。
陽香ちゃんの口は柔らかくてほんのり甘い味がした。
ゴーン…ゴーン…ゴーン…ゴーン…
時計塔が午後4時の鐘が打った時に口付けを終わりにした。
「はぁはぁはぁはぁ…苦しかった…」
「うん…もう少ししてたら死んじゃってたかも知れなかったよぉ。」
「うん…」
「そろそろ本屋さんにいこっ」
私と陽香は大学を出て、すぐ近くにある大きな本屋さんに行って本を買って
駅前でさよならの挨拶をして電車に乗った。
陽香ちゃんとは逆の方向の電車だから一緒に帰れないのが残念だけれど
今度のお休みの日に陽香ちゃんの家に遊びに来てって言ってくれたので
行こうかなぁって思いました。でも週末まではまだあったので早く週末が
来ないかなぁって考えてしまいました。
そして私は陽香ちゃんと女の子同士だけど恋人さんとして一緒にいる事になった。