今日は土曜日。
そう、あれから時間が経って待ちに待った週末が訪れた。
私は携帯で陽香ちゃんに連絡を取った。
「はい、沢渡です。」
「あっ、おはよう陽香ちゃん。」
「あっ、美咲ちゃん、おはよう。」
「ねぇ、今日お家の方に遊びに行って良いかなぁ?」
「うん、いいですよ。」
「えへへ、ありがと。」
「いえいえ、美咲ちゃんならいつでも歓迎ですよ。」
「えっと…それで、どこまで電車に乗ればいいの?初めて陽香ちゃんの
お家に行くからどこまで乗れば良いか分からないよぉ…。」
「あっ、私のお家に行くための駅を教えてなかったですね。」
「うん。」
「私のお家に行くには、いつも美咲ちゃんと私が降りている羽丘駅よりちょっと先の
松並って言う駅で降りるんですよ。私は松並の駅のA1の出口で待ってますから
そこまで来てくださいね。」
「はーい、これから着替えてすぐ行くね。」
「分かりました、それでは電車に乗る前にもう一度電話してくださいね。」
「うん、それじゃあまたあとでね。」
「はい。」
その言葉の後、私は携帯を切り、すぐに陽香ちゃんの家に行く準備をした。
私はお気に入りの可愛い洋服を着て貴重品を入れたいつも学校に持っていく
鞄より小さい鞄を持って家を出た。
今日も私は桜ヶ丘ニュータウン駅まで自転車に乗り、駅にある自転車置き場に
自転車を止めて、携帯で陽香に連絡をした。
「はい、沢渡です。」
「陽香ちゃん、今、駅についたよー。」
「あっ、美咲ちゃん。」
「えっと…9時25分の電車に乗るからその電車が来る頃に駅の出口で待っててね。」
「はいっ、分かりました。」
そう言って私は携帯の電源を切り9時25分発の電車に乗った。
電車の中ではいつものようにお気に入りのMDを聴きながら静かに
降りる駅までじっとしていた。
「次は松並、お出口は右側。お降りの方はどなた様もお忘れ物のないようお気をつけ下さい。」
電車から流れる自動放送を聞き、私は降りる準備をした。
「松並駅…ちょっと緊張するです。」
そんな事を考えながら改札を出て陽香の待つA1出口に着いた。
A1の出口には陽香ちゃんが待っていた。
「美咲ちゃんおはよう。」
「おはようっ陽香ちゃん。」
「それでは私のお家に案内しますね。」
「はーい。」
他愛も無い会話をしながら私は陽香ちゃんの家に着いた。
陽香ちゃんの家は両親が経営する花屋で、名前は「Angel's Girden」という名前だった。
家は3階建てで1階はほとんどがお店のスペースで住居スペースは2階と3階が
メインとなっているみたいだった。
「ふぇ~陽香ちゃんのお家ってお花屋さんなんだぁ。」
「うん、お花屋さんですよ。」
「きれいなお花がいっぱいで良いなぁ…。」
「えへっ、私も気に入ってるんですよ。」
そんなお話をしていたらきれいな女性の人が現れた。
「いらっしゃい、Angel's Girdenへようこそ。」
「あっお母さん。」
「(陽香ちゃんのお母さんなんだ…)」
「はっ初めまして、陽香ちゃんのお友達の美咲って言います。」
「いらっしゃい美咲ちゃん、娘の陽香と仲良くしてくださいね。」
「はいっ。」
「それでは行きましょ。」
陽香は私を2階の住居スペースの方に案内した。
2階の住居スペースにもきれいなお花が飾ってあってとっても良いなぁって
私は心の中で思った。
「それじゃあ私の部屋に案内するね。」
「はぁーい。」
そう言って3階にある陽香の部屋の前に着いた。
ドアには「Haruka's Room」と木とタイルで作られたプレートがかかっていた。
「ここが私のお部屋です。」
「うんっ。」
「それじゃあどうぞ。」
「うん。」
私は陽香の部屋に入った。
陽香の部屋はお花好きの陽香だけあって観葉植物があったり甘い香りのする花の
オイルがあったり緑と花がいっぱいの部屋だった。
また、出窓には私の家にもある小さな水族館と言う名のシールがついた瓶があり
中には小さな魚が3匹ほど泳いでいた。その下には若草色のシーツのかかった
ふかふかのベットがある。
「うわぁ、ここが陽香ちゃんのお部屋なんだぁ。」
「そうなの、お花とかいっぱいで気持ちよさそうでしょ。」
「うん。」
その後陽香は思い出すように言った。
「あっ、お部屋にテーブルがなかったです。」
「あう…それじゃあ座れないよぉ…。」
「うん…ごめんね。」
「代わりだけどベットに座って良いですよ。」
「えっ、いいの?」
「はい、美咲ちゃんなら全然かまわないです。」
「うん。」
私は恐る恐る陽香ちゃんのベットに座った。
陽香ちゃんのベットはとってもふかふかで座り心地も良かった。
「陽香ちゃんのベット、気持ちが良いよぉ。」
「えへっ、そうでしょ。」
「うん。」
「この部屋はいつも太陽が降り注ぐ部屋だからベットの布団も
ふかふかに干せるからとっても気持ちが良いの。」
「そうなんだぁ…。」
そんな他愛もないお話をしながら陽香ちゃんと私は一緒に1日を過ごした。
お昼も陽香ちゃんのお母さんの陽(ひなた)さんの特製のオムライスを陽香ちゃんと
一緒に食べてとってもうれしかった。
そして、私が帰る時に陽香ちゃんが私に良い物を渡してくれました。
それは陽香ちゃんのお部屋のもあった小さな水族館って書いてあるシールが
ついた小さなお魚の入ったビンだったのです。
「美咲ちゃんにこれをあげます。」
「ふぇ!?良いの?」
「はい、恋人さんの印ですっ、大事に育ててくださいね。」
「うんっ。」
そう言って私は陽香ちゃんの家を出て松並駅から電車に乗り
桜ヶ丘ニュータウン駅に戻った。
陽香ちゃんからもらった小さなお魚の入ったビンがあるので
ゆっくり自転車をこぎながらお家に帰った。
寝る前にいつものように鍵付の日記帳に今日あった事と陽香ちゃんから
もらった小さなお魚の観察日記を書いて私は眠りにつきました。
もちろん陽香ちゃんと一緒の夢…。