「ふぁ~っ眠いよぉ~」
「美咲ちゃん寝ちゃダメですよ。」
「う…うん…。」
「あと少しで講義が終わりますからね。」
「ふぁ~い。」
いつもと同じ陽香ちゃんの隣の席で眠い目をこすりながら英文法の講義を聞いていた。
大学の授業は1時間が90分だから午後の時間の講義は眠くてあまり聞き取れない所もあり
陽香ちゃんのノートをみせてもらうこともしばしばだった。
ようやく今日の最後の授業も終わり、鞄に筆記用具とテキスト、ノートをしまって
陽香ちゃんと一緒に学校の外に出た。
「ねぇ、陽香ちゃん。」
「何?、美咲ちゃん?」
「これから時間良いかなぁ?」
「はい…特に用事はないですけど…。」
「一緒に行きたい所があるから来てもらって良いかなぁ?」
「ええ、良いですよ。」
私はそう言いながら陽香ちゃんと一緒に駅前から3分で着く場所にある
羽丘情報専門学校に向かった。
そう、今日は優樹とも一緒に帰る約束をしていて優樹に会いに行くために
専門学校の方へ向かった。
「ここだよ」
「ここって専門学校だよね。」
「うん、そうだよ。」
「ここに何かあるの?」
「うん、この学校に私の新しいお友達がいるんだよ。」
「そうなんだ…。」
そんな事を話していると私は見覚えのあるどこから見ても女の子にしか
見えないみたいに可愛い男の子の優樹が現れた。
「あっ美咲ちゃん、こんにちわ。」
「こんにちは、優樹さん。」
「初めまして、美咲ちゃんのお友達の沢渡陽香です。」
「陽香ちゃん初めまして、ボクは長谷部優樹だよ。」
「お友達って女の子…?」
「ううん、こう見えても優樹は男の子なんだよ。」
「私には女の子にしか見えなかったです。」
「ボクはそれで良いと思うよ、あんまり男の子って思われたくないから。」
「そうなの?」
「うん。」
「この間ね…陽香ちゃんがお店のお手伝いで一緒に遊びに行けなかった日に
偶然新宿の街で知り合ったんだよ」
「そうなんだ…。」
「それで学校の事を聞いたらここだって言っていたから、私のお友達を連れて
お話しながら帰ろうって優樹と話したんだよ。」
「そうなんだ」
「ボクは男の子だけれど…その…女の子として…見て欲しいんだけど…ダメかなぁ?」
「良いですよ、美咲ちゃんのお友達なら優樹ちゃんもみんなお友達ですよ。」
「良かったぁ。」
そんなちょっとぎこちない会話もすぐになくなりしばらく時間が経った。
そして私はある事を思い出した…。
そう、今週は私の女の子の日であると言う事を…。
「優樹っ…ちょっとトイレに行ってくるね。」
「うん、トイレはすぐそこを曲がった所だよ。」
「ありがとう、優樹。」
「陽香ちゃん行くよ。」
「はい、美咲ちゃん。」
そういって私と陽香ちゃんはすぐ近くにあるトイレに入った。
すると、そこにはなんだか困っている顔のポニーテールの女の子がいたのだった。
「(あれっ?私の夢の中に出てきた女の子…なんで困った顔をしてるのかなぁ?)」
「う~ん」
「こんにちは、何か悩み事があるの?」
「うわぁっ、びっくりしたよぉ~って見慣れない顔だけど…どこのクラスの子?」
「えっと…私たちはここの学校の子じゃなくてもう少し先に大きな大学があるでしょ?
そこの学生だよ。」
「そうなんだぁ…でもどうしてここのトイレにいるの?」
「それはね、この学校にお友達がいてその子と一緒に帰るんだけど…ちょっとおなかが
痛くなっちゃってここのトイレを借りにきたんだよ。」
「うん、それなら私も女の子だからその気持ちは分かるよ。」
「でも、なんで悩んだ顔しているの?」
「うん…それはね…。」
私と陽香ちゃんはその子の言った事を聞いて驚いてしまった。
「えっ、男の子のも…!?」
「うん…私にはあるの…。」
「そうなんだ…その事で悩んでたの?」
「う…うん…。」
「そんな事気にしないほうが良いよ、私もね、ちょっと違うけれど…
いろいろな事で悩んでるし…それに陽香ちゃんとは恋人同士だよ。」
「えっ!?本当なの?」
「はい、私と美咲ちゃんはお友達じゃなくて恋人さんですよ。」
「でっでも…女の子同士…。」
「うん、私ね男の子も女の子もどっちも好きな女の子なの。」
「だから…陽香ちゃんの事も好きになっちゃって…。」
私はまだ名前も聞いていないその子にそんな事を告白した。
「そうなんだぁ…私なんだかすっきりしちゃった。」
「そんな事で悩んじゃダメだよね…」
「うん、そうだよ…そういえばあなたのお名前は?」
「あっ、ごめんね…私は朝倉優姫、この学校の2年生だよ。」
「じゃあ、私達より年下なんだ…。」
「えっ?という事は大学の3年生なの?」
「うん、そうだよ、陽香ちゃんと同じ英文科に通ってるんだよ。」
「あぅ…先輩にそんなしゃべりかたしちゃったなんて…。」
「ううん、いいよ…もう私達はお友達だからね☆」
「うん、よろしくね…って…あ゛っ!!」
「どうしたの?」
「アルバイトに間に合わなくなっちゃうよぉ!!」
「じゃあ早く行かなくちゃ」
「って私も大事な事忘れてたっ、陽香ちゃん。」
「はいっ、美咲ちゃん。」
そんな事でしばらく3人でトイレの洗面所の所でお話をしていた。
その後、すぐに用を済ませて優樹の所に戻った。
「優樹っ、遅くなってごめんね。」
「うん…でも、そんな事は気にしてないよ。」
「ありがとう、それじゃあ3人で帰ろう。」
「うん、みんなで帰えろっ☆」
そんな事で3人で羽丘駅まで行き、陽香ちゃんと改札口で別れて
優樹とは途中の乗換駅で別れて、いつものように1人で家に戻った。
また新しいお友達が出来たりなんだかどたばたした1日だったけれど
こんな1日があっても良いなぁって私は思った。