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Candy Pop -8話- 学園祭の告白 / 2009-07-18 (土)

あっという間に夏が過ぎ、今の季節は冬との真ん中の季節…。

11月に入ってすぐ、私の大学では学園祭が行われる…。

「…ちゃん。」

「うにゃ?」

「美咲ちゃん、猫さんの真似しないでー。」

「あっ、陽香ちゃんごめんね。」

ここはいつもの講堂…じゃなくて大学の生徒用に開放されている会議室…。
そう今は明日に迫っている学園祭の最終打ち合わせの最中なのです。

私と陽香ちゃんは模擬店の会計と管理の担当を頼まれていたために
この会議に出席していたのでした。

「会議中に寝ちゃダメですよ。」

「はぅっ…ごっごめんなさい。」

「先生に怒られちゃうからやめたほうがいいわ。」

「うん。」

そんな事があったけれど会議は終りを迎え明日のための最終準備に取り掛かった。
私は会計の手間を出来るだけ省くために簡単な計算プログラムを作り始め
陽香ちゃんは明日と明後日配る食券等の整理をしている。

と、そこに助っ人ともいえる人が現れた。

「お2人さんがんばってるね。」

「わっ…桜井さん…どうしたの?」

「どうしたって…差し入れに来たのよ。」

「あっ…ありがとう。」

私達の前に現れたのは最近何かとお世話になるお姉さん的存在の桜井祐美さん。
同じ学部でよく私と陽香ちゃんの近くに座って私でも理解できない英文の言い回しを
すらすらと答えちゃったりする、少なくとも私達よりは英語を理解してる彼女。

これでも彼女は1年浪人していたらしくて私達より学年的には1年上というからあまり
陽香ちゃんのような親しい仲と言うわけではなかったけれど、ほとんどお友達みたいな
感じにお話をしたりしている。

「あっ…これは…。」

「アプリコットのケーキとコーヒーよ、食べるでしょ?」

「はいっ、桜井さんありがとうございますっ。」

「うーん、桜井さんだと堅苦しいから祐美でいいわ。」

「えっ、いいんですか?」

「いいよいいよ、気にしてないから。」

「祐美さんありがとう。」

「それでよろしいっ。」

そんな事を話しつつ、差し入れのケーキとコーヒーを飲んで作業を続けた。
結局作業は暗くなる頃まで続き、私と陽香ちゃんは7時頃に大学を出ることになった。

家に戻ってご飯を食べて、お風呂に入ったあと日記を書いてベッドに敷いてある
布団にもぐりこんだ。でも、イベントの前日だけあってなかなか眠れなかった。
だけど大好きな人の事を考えていたら少しずつ眠たくなって結局1時頃に私は眠りに付いた。

そして学園祭の当日になった。

当日は雲ひとつも無い青空で、学園祭にはもってこいの日で私たちは喜んだ。

学校に着くと私は各模擬店のお金の管理の人のノートパソコンに昨日作った
会計のプログラムを渡して、陽香ちゃんは昨日用意した食券を各模擬店の人に配る作業をしていた。

「ふぁ~やっと終わったよぉ…。」

「美咲ちゃんお疲れ様。」

「うんっ陽香ちゃんもお疲れ様。」

「そろそろ学園祭が始まりますね。」

「うんっ、私たちも最後までがんばろっ。」

そんなこんなで学園祭は始まったのでした。

1日目は私たちの作業は英文科の模擬店のクレープ作りを手伝い、私は具材と
ホイップクリームをかける係りで、陽香ちゃんはクレープの生地を焼く手伝いをした。
私もやってみたけれど…難しくて生地がぼろぼろになっちゃったので陽香ちゃんに
任せる事にしました。

「う~ん…難しいよぉ…。」

「そうね…薄く生地を焼くのって結構難しいわ。」

「でも美咲ちゃんの具の乗せ方は上手だわ。」

「あっ…ありがとう陽香ちゃん。」

と、他愛もない事を話していると私の携帯電話が震えだした。

「あっ、誰かからメールが来たみたい。」

「うんっ。」

「ちょっと待っててね。」

私は作業の手を休めて私の携帯電話のメールをチェックした。
そのメールの差出人は私の大好きな優樹からのメール。

件名は「お話したいな」であとでみんなとお話したいから
ここに来てって言う内容のメールでした。

もちろんみんなって言うのは私と陽香ちゃん、そして優姫ちゃんの事だと
思うんだけど…何のお話なのかなぁってすごく私は気になってしまい
このメールの事を陽香ちゃんに伝える事にした。

「ねぇ陽香ちゃん…優樹からメールが来たんだけれど…。」

「どんなメールなの?」

「それが…お話したいことがあるからここに来てって言うメールなの。」

「うーん、私たちに何かお話したいことでもあるのかもしれないね。」

「もしかして…私と優樹が離れ離れにになっちゃうとか…。」

「そんなの嫌だよぉ…。」

「多分…そんなお話じゃないと思うわ…でも大切な事なのかもしれないね。」

「うん…。」

私は優樹のメールのお返事を書いて送信した。

お仕事が終わったらすぐ行くねって言うただそれだけの内容だけど…
やっぱり私はちょっと心の中で不安になった。

模擬店のお仕事も抜けられそうになったので、陽香ちゃんと一緒に指定場所の
学校の正門をちょっと入った所に行った。

そこには優樹と予想通り優姫ちゃんが待っていた。
もちろん優樹はふわふわのドレスみたいな可愛い女の子の服だった。

「優樹っ、このメールって…?」

「うん…、こんなメール出しちゃってごめんね。」

「一体、何の事でお話したいの?」

「じゃあ…今からお話しするね。」

「うん。」

「ボクね…美咲や陽香ちゃんや優姫ちゃんみたいに全部女の子になりたいんだ…。」

「まだずっと先の事になっちゃうけれど…。」

「もうちょっとしたら男の子の洋服はほとんど捨てちゃうつもりだし…。」

「いろいろしようかな…って…。」

「えっ…!?」

「だからボクの事をいつも女の子って見て欲しいんだけど…ダメかな…。」

私と陽香ちゃんと優姫ちゃんは驚いてしばらく声も出せずに立ち尽くしているだけだったけれど
勇気を振り絞って私はこう言った。

「うん…良いよ…でも…するんだったら本当に全部だよ。」

「ありがとう…そしてごめんね美咲…。」

「優樹が決めた事でしょ、最後まであきらめちゃダメだよ。」

「うんっ、陽香ちゃんも…優姫ちゃんもごめんね…。」

「優樹…ううん、優樹ちゃん…これからもお友達でいましょうね。」

「私もだよ、同じ学校だしいろいろアドバイスするよ。」

「ありがとうっ…うっ…うわぁぁぁぁぁぁん…。」

「優樹…泣かないでっ…。」

「泣いたら女の子じゃなくなっちゃうよ…。」

「そうですね。」

私は優樹を抱きしめてあげて優しく髪をなでた。

まだまだ男の子の部分と女の子の部分が半分な優樹だけどこれから少しずつ
私たちと同じ女の子に成長していくのかな…って思うとちょっと不思議な気持ちに
なってしまった…。

「でも優樹と結婚だけはしたいかなっ。」

「もう美咲ちゃんたら…。」

「あはは…。」

「うっ…うん…。」

「でも陽香ちゃんとも結婚したいかも?」

「うふふ…。」

「それは欲張りかも…。」

「さてっ、学園祭の残りの仕事しなくちゃねっ。」

「優姫ちゃんと優樹はどうするの?」

「一緒に行くー。」

「うんっ、じゃあ一緒にいこっ。」

私たちはお仕事もしながら優樹と優姫ちゃんと陽香ちゃんと一緒に学園祭を楽しんだ。
やっぱりみんな一緒が楽しいって…。

こうして1日目の学園祭も終わり、2日目も特にトラブルもなく無事終了して
2日間の学園祭は幕を閉じた。

なんだか忙しくもありドキドキもあった学園祭だったけれど、また来年もこんな
楽しい学園祭だったら良いなぁって思い、私は日記をつけてベットに入って眠った。

あれれ…夢の中にはまた不思議な女の子が1人…。
優樹も含めて4人なのにもう1人いるなんて…。

新しい出会いがあるのかな?